年末支出あれこれ
12月となりました。令和4年も間もなく終わりを迎えます。
今年は新型コロナウイルス感染症に対する制限も緩和されてきており、忘年会も今年は実施するという事業所も多くなっているようです。ここ数年は行動制限等もあり、「接待交際費」の経費計上額が抑えられていた事業所も多かったかと思われます。飲食店にとっては漸く忘年会シーズンらしい11~12月が送れることになり、忙しさの中の対応に喜びを感じている方も多いというように伺っています。
そこで今回は、経費計上する交際費等の要件について再確認してみたいと思います。
先ずは交際費等の要件を確認してみます。
①支出の相手先が事業に関連のある者等
②支出の目的が事業関係者との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ること
③行為の形態が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であること
上記の3要件を基にその支出が交際費等であるかどうかが判断できます。
取引先との忘年会はまさに上記の3要件を満たしておりますので原則的には交際費等に該当します。
自社の従業員のみで社内忘年会を行うときは、会社が費用を全額負担する場合は原則として福利厚生費で処理します。従業員から一定の会費を集めて、一部のみ会社が費用を負担する場合には、その負担分のみが福利厚生費となります。ただし、役員や特定の従業員だけが対象となる場合には、給与や交際費等(社内交際費)になることもあります。
では、社内忘年会に取引先や事業関係者を招待した場合はどうなるでしょうか?
この場合は、従業員に関して会社が負担した費用は福利厚生費で処理し、取引先や事業関係者に関して会社が負担した費用は交際費等として処理をします。注意点としては、日付、相手先の氏名や名称及び関係、参加人数、領収書に接待先の名称や住所及び但し書等が正しく記載されているかの記録をしっかり残しておくことです。これで5,000円の金額基準の確認も行えます。
では次に、飲食以外の面でよくある事例を確認してみます。
お歳暮については上記の3要件を満たすため交際費等に該当します。
お歳暮を取引先に贈った場合には、送り先や送った品物、金額等の詳細を一覧表にしておくなど、使途不明な金額が無いことを明確にしておくことが重要です。また、お歳暮として飲食物を送った場合には、消費税の税率は軽減税率8%となりますので処理上も注意が必要です。
お歳暮に関連して、よくカレンダー、手帳、手拭い等を取引先にお配りすることもあると思います。これらの費用は主として広告宣伝効果を意図して支出されるものであるため、交際費等からは除かれて広告宣伝費として処理することが一般的です。
経理担当者にとっては、11月から12月に掛けてはこの時期特有の取引が頻出します。正しく処理を行うことで気持ち良く令和4年の仕事納めを迎えて頂ければと思います。
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