Power Automate で RPA 入門

・導入しやすい RPA 「 Microsoft Power Automate 」

 個人的な趣味で RPA を始めました。
 RPA (Robotic Process Automation) とは、 PC アプリ操作の自動化ソフトですが、「聞いたことはあってもやったことはない」という方が多いのではないでしょうか。
 お客様によっては「 RPA を試したが、会計ソフト( FX4 クラウド)のように不定期にポップアップウィンドウが出るソフトでは使いにくい」とのお声もいただいています。
 いきなり難しいことにチャレンジするより、まずは、ご自身が週 2 回以上パソコンで実行する操作の自動化をして、 RPA に慣れていただくことをおすすめします。
 無料で試せる RPA は、 Power Automate と UiPath Studio X とが有名ですが、 UiPath は、まずインストールするところからして難しいので、 Microsoft Store から簡単にインストールできる Power Automate をおすすめします。マイクロソフト社製の RPA ソフトです。以下、 Power Automate について解説します。

・RPA の使用事例「 SUICA の 利用履歴の保存支援 」

 私の場合、週 2 回、 SUICA を IC カードリーダーで読み込んで、そのデータを家計簿Excel にコピーしています。その際、毎回マウスやキーボードで同じ操作をするので、これを RPA で自動化できないかと考えました。

 下準備として、自分が普段、どんな操作をしているかを把握することが必要です。

  1. IC カードリーダーに SUICA をセットする
  2. アプリを起動する
  3. 読み取りデータを CSV に保存する
  4. 保存した CSV を開く
  5. 家計簿 Excel を開く
  6. 2 つの表計算ウィンドウを左右に整列させる
  7. CSV から Excel に、未保存の行をコピペする(ここは難しいので、今回の記事では取り上げません)
  8. アプリを終了する

・アプリの起動から、操作の記録まで

 SUICA (交通系 IC )のデータを読み取るアプリ SFCard Viewer 2 は、次のフォルダに入っています。これをシステム→アプリケーションの実行 で起動します。

C:\Program Files (x86)\Sony\SFCard Viewer 2\ SFCV.exe


 起動後の操作については、実際にマウス等で操作してみて、その記録を取る方法で RPA に覚えさせていきます。 Excel マクロの手動操作の記録に似た感覚で行えます。


 この丸いアイコンをクリックすると、記録が始まります。いまどこを選択しているのか、赤い枠で表示されるのでわかりやすいです(↓には枠が出てないですが……)。操作するごとに「記録されたアクション」に蓄積されていくのが見えます。まずは、この「ファイルに保存」までを記録したら、「実行」してみましょう。

 実行すると、うまくいかないことがあります。そのときは、操作方法を見直しましょう。ショートカットキー操作は最小限にし、なるべくマウスでの操作を記録させるのがおすすめです。
 また、この方法で記録すると、ときおり自動で 2 秒の待ち時間も記録されますが、これは削除してしまっても大丈夫です。

・保存したファイルの起動から、ウィンドウの整列まで

 保存されたファイルは、 CSV なので、 Excel で開けます。アクションの Excel →「 Excel の起動」を右の「 Main 」タブにドラッグして、内容を設定しましょう。同様に、コピペ先の家計簿 Excel ファイルも開きます。

 
 そのあとは、 RPA を離れて、手作業で CSV データを家計簿 Excel にコピペすることになりますので、操作しやすいように、ウィンドウを左右に整列させて、かつ、コピー先のワークシートを選択し、またコピー元の CSV データをすぐに操作できるようにします。

 その際の操作は下にスクリーンショットで示しましたが、どの操作がアクションのどこにあるかは、検索窓を使って手早く探してみましょう。

 「キーを押す/離す」と方向キーの送信の組み合わせで、 Win + ←、 Win + →の「ウィンドウの整列」操作を実現しています。

・アプリの終了、 その他 RPA 設定のコツ

 最後に、 SFCard Viewer 2 を終了するところまで入れてみました。「プロセスを終了する」がそれです。プロセス ID (起動したアプリごとに振られる ID )は、起動するごとに異なるので、定数(数字の手入力)ではなく、変数を用います。変数を指定するには、フォーム右の {x} マークをクリックします。ここで %AppProcessId% を選択すれば、最初に起動したアプリを終了することができます。起動から終了まで、 14 秒弱で自動操作が完了します。

 

 コツとしては、操作を指定したつど、その行の右端を右クリック→「ここから実行」機能を使って、意図した操作が実行されるか実験してみることです。また、この RPA 操作の場合、 SUICA を IC カードリーダーに置き忘れていると、実行しても途中で動作が止まってしまいます。

 まずは趣味の範囲でいろいろ試してみていただければ、業務の効率化にも役立つアイデアが出てくるのではないかと思います。最初はちょっと大変ですけどね。

 なお、これらの操作データは、ご自身の Microsoft アカウントに紐づけされる OneDrive に保存されています。



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