孤狼の血を観て感じたこと

 先日映画館で「孤狼の血 LEVEL2」を観てきました。

 柚月裕子原作の小説「孤狼の血」シリーズの大ファンで、もちろん、前作の劇場版も観ています。スクリーンから溢れ出る迫力に体が座席に押し付けられている様で、観終わった後はしばらく映画館のベンチでボーっとしてしまいました。最高でした。

 劇中で喫煙シーンが多用されている印象がありました。最近ではテレビでも喫煙シーンは見かけません。たばこのCMも流れません。
 かれこれ30年ほど経ちますが、私が大学生の頃はテレビで喫煙シーンを放映していましたし、CMも頻繁に流れていた記憶があります。ラッキーストライクや「Speak LARK」、ボビー・コールドウェルの曲と共におしゃれなパーラメントのCM、カウボーイが出てくるマールボロのCM等々。JTでは1998年からテレビ・ラジオでのたばこのCMを自主規制しているそうで、そのためテレビ等でたばこのCMを見ないのですね。

 厚生労働省の成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)によると、昭和41年には83.7%だった成人男性の平均喫煙率は、平成30年には27.8%まで減少しています。「孤狼の血 LEVEL2」の舞台である平成の初めでは、成人男性の平均喫煙率は約60%台で推移しています。なるほど当時はまだ多くの成人男性が喫煙をしていたため、喫煙シーンが多くなるのも納得で、しっかりした時代考証があるからこそ、映画のシーンが現実味を帯びた迫力となってスクリーンから伝わってきていたと感じました。

 たばこといえば税金(たばこ税)ですよね。たばこ税の占める割合は消費税分も含めたところで1箱あたり約60%ほどだそうです。たばこ税の税収全体に占める割合は、国税庁が発表している令和元年度の「租税及び印紙収入決算額調べ」によると約1.5%で873,699百万円だったそうです。2021年10月にもたばこ税の増税がありましたが、喫煙者が減少し販売本数が減少しているため、たばこ税は増税せざるを得ないということなのでしょうか。

 その他の税目の令和元年度の税収の割合は、上記の「租税及び印紙収入決算額調べ」によると、所得税が32.8%、法人税が18.5%、相続税が3.9%、消費税が31.4%だったそうです。消費税の税収が大きな割合を占めていることがわかります。令和2年には消費税の税収が所得税の税収を上回ることになります。これは消費税率が8%から10%に増加したことによるものではないかと思います。

日本の税収の中で一番大きな割合を占めている税目は消費税ということになります。令和5年10月1日からはいよいよインボイス制度が始まります。制度の導入まで2年ほどありますのでしっかりと準備をして頂きたいと思います。

たばこ税は成人の喫煙者が対象となる税金であるのに対し、消費税は成人に限らずほぼすべての人が対象となる税金です(小学生の息子がコンビニで買い物をしても消費税を負担しています。)。

 この課税対象の違いは商売に通じるものがあると思いませんか?特定の人に限定したマーケットで商売をするか、広く多くの人を対象としたマーケットで商売をするか、どちらも一長一短があると思います。皆様のご商売はどちらのマーケットを対象としていらっしゃいますか? 

横浜税理士法人 税理士 矢吹泰正

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