少子化対策と出産費用
昨今、少子化対策が各国で問題となっています。
日本においても「人口1,000人に対する1年間の出生数の割合」を表す出生率は、1.39で世界のランキングでは215位となっているようです。
日本の出生率の推移は、第1次・第2次ベビーブームを経て、右肩下がりの推移になっています。2022年には出生数が約77万と過去最低を記録しています。
そこで、国としても少子化対策を進めています。政府は、異次元の少子化対策として子育て世帯を支援する「こども未来戦略方針」を掲げています。主な支援策として、下記のものが挙げられています。
・高校卒業まで児童手当支給 2024年12月支給分から実施
・出産費用の保険適用 2026年度以降
・大学等の授業料の無償化 2025年度
この支援策のなかで、私が注目したのが出産費用です。
若い世代の人達が子供を産むのにお金の部分の不安を少しでも緩和できれば、少子化対策への影響は大きいと思うからです。
令和4年4月から不妊治療費用が保険適用化されましたが、出産費用の保険適用化も早急に実施してもらいたいと思います。
私たちの場合、出産が近づくにつれて「無事に生まれて欲しい」ということと「出産費用高いよね」ということをよく話していました。やはり、出産にはお金がかかります。
ちなみに2022年度の出産費用の平均は47万円だそうです。
こうした出産費用の高騰に対応すべく2023年度の出産育児一時金は50万円に引き上げられています。
(一定の要件がありますので管轄の年金事務所や市区町村にお問い合わせ下さい)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shussan/index.html
また、横浜市では独自の出産費用助成金として最大9万円を受けることができます。https://www.city.yokohama.lg.jp/kosodate-kyoiku/oyakokenko/teate/syussanjosei.html
横浜市以外にも独自の助成金があるかもしれないのでご確認いただければと思います。
ここからは出産費用に関する医療費控除の話です。
妊娠から出産に伴う一般的な費用が医療費控除の対象となります。
医療費控除の質疑応答で多いものを記載しておきます。
・勤務している会社から支給される「育児手当」は、医療費を補填するために給付されるものではないため医療費から除きません。ただし、給与所得として源泉徴収の対象になります。
・健康保険組合から支給される出産手当金は、医療費を補填するために給付されるものではないため医療費から除きません。
・出生前診断の費用は医療費控除の対象にはなりません。
・出産費用を上回った「出産育児一時金」は他の医療費から差し引く必要はありません。
また、出産費用を上回った差額収入は、健康保険法に基づき所得税は非課税とされています。
少子化対策のなかで私は出産費用に着目しましたが、皆さんはどうでしょうか。
児童手当の延長や大学の授業料無償化の方が少子化対策になると思う人もいると思います。
この支援策以外にも様々な考えがあるかと思います。 是非、政府には出産・子育てに不安のある人たちの声を反映して、その人たちの不安を解消するような革新的な少子化対策・支援策を進めてもらえることを期待しています。
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