免税購入品と知りながら行った課税仕入れに係る仕入税額控除の制限について

最近、事務所の社用携帯をiPhoneに機種変更していただき、思い出したのが iPhoneを販売している米アップルの日本法人アップルジャパンに消費税の追徴課税があったニュースです。

2年前の話になりますが、令和4年にiPhoneなどの免税販売で転売目的の取引が疑われる事例が相次ぎ、東京国税局の税務調査で免税の要件を満たしていないと指摘され、アップルジャパンに対して免税販売した分の消費税140億円ほど追徴課税されたようです。

免税品は、海外からの旅行者などが土産物などとして自分で国外に持ち出す場合には、消費税が課されませんが、国内で使用したり営利目的で他人に転売したりする場合は免税の対象外となり消費税が課されます。

業者が海外からの訪日客を募り、アップルで購入した免税品を転売することで、消費税分の差額を稼ぐという事を行っていたとされ、東京国税局はこうした不自然な大量購入は転売目的だった可能性が高いと判断し、アップルジャパンに追徴課税を行ったようです。

こうした転売目的として大量に購入するケースが増加したこともあってか、令和6年4月には、消費税が免除された物品(以下「免税購入品」といいます。)であることを知りながら、当該物品を仕入れた場合、その仕入れに係る消費税額については、仕入税額控除の適用を受けることができないこととする改正がありました。
※【適用開始時期】令和6年4月1日以後に行う課税仕入れから適用

国税庁HPでは、仕入時に免税購入品と疑われる事例とその対応について公表しております。
以下その記載内容となります。

 

仕入れ時に免税購入品と疑われる事例
次のような場合、仕入れる物品が免税購入品である可能性がありますので、ご注意ください。

【古物商等として買取りを行う場面】

・ 本人確認書類等から、日本に居住の事実がない非居住者からの買取りであると認められる場合
・ 本人確認書類として提示された書類の偽造が疑われる場合
・ 持ち込まれた物品に免税用のパッケージがされていた(又はされていた痕跡があった)場合
・ 同種同等の物品について、大量又は定期的に買取りを求められた場合
・ 買取時の確認の際、本人確認書類等を提示した本人ではなく、付添人が主導的に対応するなど、持込者が購入した(又は所持していた)物品でないことが疑われる場合
・ 高級物品の買取りを求められた場合において、持込者の様子などから当該高級物品の所有者であることに疑いがある場合

【卸売業者等からの仕入れの場面】

・ 仕入れの相手先と主にSNSでやり取り等している場合に、当該相手先が同一のアカウント名等でSNSにおいて免税品購入に関するアルバイト(いわゆる買い子)を募集しているなど、輸出物品販売場制度を不正利用していることが疑われる場合

免税購入品と疑われる事例への対応
免税購入品であると知りながら仕入れていたと認められた場合には、仕入税額控除が認められないこととなります。そのため、疑わしい物品の仕入れに当たっては、本人確認等を確実に行っていただき、また、物品の調達先など取引内容について仕入先に確認し、その記録を残すといった対応や、現金で買い取らず、本人の口座へ振込みするなどの対応を行う、場合によっては仕入れそのものを避けるといった対応を取ることが考えられます。

以上、国税局HP記載内容になります。
出くわす場面というのは業種等によって限定されるものかもしれませんが 少しでもご参考になりましたら幸いです。

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